抄録
本稿は中俣(2015a)で提案した生産性指数の計算方法を改良し,複数の意味を持つ語に対して各意味ごとの生産性を計算することを提案するものである.ケーススタディーとして,「ている」20,000例を【継続】【結果存続】【経験】【状態】の4つの意味に分類し,生産性指数を計算したところ,上記の順番で生産性が低くなることが確認された.この結果はこれまでに行われた「ている」の意味ごとの習得研究の結果とも一致するものである.また,研究の副産物として,各動詞の「ている」形がどのぐらいの割合でそれぞれの意味になるのかというリストを作ることができた.その結果,多くの動詞が,いずれかの意味に偏りを見せることがわかった.