抄録
本研究では,日本語学の観点から広島・長崎の「平和宣言」と「平和への誓い」を対象に分析をおこなった.タイトルの通り探索的な研究であるため,全体的にやや広範的に分析の手法を用いた.「平和宣言」については,両都市で読み上げられる宣言に含まれるメッセージの共通性,都市の違い以上に,昭和・平成・令和といった時代の違いが影響を与える点を明らかにした.また「平和宣言」において用いられる語に見る時代の特徴を指摘した.両都市の市長による平和宣言のみならず,平和記念式典のプログラムに含まれている「平和への誓い」においては,継承者としての広島の小学生と体験者としての長崎の被爆者それぞれの立場からの特色を浮き彫りにした.