計量国語学
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大会発表特集
小中学校の学年別語彙配当を定めるための頻度データと基本語彙表の統合と比較
松下 達彦新井 智大岩下 智彦田中 祐輔田中 牧郎河内 昭浩柏野 和佳子山崎 誠
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2025 年 35 巻 2 号 p. 15-30

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抄録
日本の国語教育では漢字の学年配当が重視されるが,学習単位としては「語」のほうが重要である.本研究では,小中学校の学年別語彙配当表を作成・提案するため,児童向けコーパス(教科書,小学生新聞,児童書など)の語彙頻度と,田中(1956),池原(1957),阪本(1958),児童言語研究会(1962),阪本(1984),中央教育研究所(1984),浜本(1990)等,既存の教育基本語彙表の収録語をUniDic の短単位に統一して一つのデータベースとして統合し,教育基本語彙表の頻度レベルを分析した.語彙頻度に重みづけして基準頻度を計算し,各種の語彙表に付された学年レベルごとに,頻度分布を中央値,四分位数,箱ひげ図などで確認した.その結果,小学1・2 年の語は高頻度レベル,中高校生の語は低頻度レベルに分布する一方,小学3~6 年では頻度分布に明確な違いが見られないことが明らかになった.この結果を踏まえ,学年別語彙配当の決め方について検討した.
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© 松下達彦;新井智大;岩下智彦;田中祐輔;田中牧郎;河内昭浩;柏野和佳子;山崎誠.

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https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
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