本研究では「すなわち」「つまり」「要するに」「要は」という4種の換言の接続表現を対象とし,書籍・講演・雑談の3ジャンルにおける出現頻度の特徴を量的・質的に分析した.その結果,各表現はいずれもジャンル間で出現頻度に有意な差異を示すことが明らかとなった.とりわけ,「すなわち」は書籍,「つまり」は書籍と講演,「要するに」は講演と雑談,「要は」は雑談で突出して使用されることが確認された.これらの分布を質的に検討した結果,書き言葉と話し言葉を単純に文字・音声の二分法で考えるだけでは不十分で,別の観点と組み合わせて説明する必要があることが明らかになった.本稿では,Chafeが提唱した分離性と関与性という概念を用い,換言の接続表現の使い分けを説明した.また,その背後として,書き言葉と話し言葉をめぐる複合的な要因の作用が示唆された.