2009 年 13 巻 1 号 p. 51-57
本研究は、緩和ケア病棟に勤務する看護師を対象に、エンゼルケアに対する考えを明らかにすることを目的に実施した。研究方法は自由記載を含むアンケート調査であり、単純集計と質的分析を行った。 第一回目のアンケートでは、メイク道具への不満、エンゼルメイクの仕上がりへの不満、エンゼルメイクへの自信のなさやメイク時の困難感が明らかとなった。そこで、改善策としてメイク道具の補充、納棺士による講義と実演、外部講師によるメイクアップ講習会を行い、第二回目のアンケート調査を実施した。その結果、道具に対する満足度は上がり、新しい知識を吸収できたという結果を得ることはできたが、エンゼルメイクに対する自信に繋がっている人がまだ多くはなかった。 新しい道具を揃え、エンゼルメイクに関する知識・技術を学ぶだけでも満足度は高まるが、それを用いて経験を重ね、さらに自分自身の能力を高めるための研鑽を続けていくことが看護師の自信につながっていくことが明らかとなった。