抄録
形成外科の診療において、褥瘡は寝たきり高齢者や脊髄損傷患者などで頻繁に遭遇する疾患である。今回、消化器がんの疼痛コントロールのために留置された持続硬膜外カテーテルリザーバーが一因になったと思われる腰部褥瘡を経験した。症例は42 歳女性。直腸腫瘍の肺及び肝転移を認めたため、化学療法を施行していた。肛門部痛のため、オピオイドを使用するも、過量症状を生じ、持続硬膜外カテーテルリザーバーを留置された。創部の抜糸を行ったところ、創が離開し、当科紹介となった。手術により閉創し、術後3 ヶ月経過した後も、再発は認めなかった。