松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
成人で原因不明の慢性腎臓病に遭遇したら出生体重と出生週数を問診する必要がある
花田 卓也
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2013 年 17 巻 1 号 p. 1-4

詳細
抄録
最近,低出生体重ならびに胎内発育障害がCKD(慢性腎臓病:Chronic Kidney Disease)の危険因子であることが大規模なコホート研究で示された.糸球体数の減少と糸球体容積の増大が起こり,結果として巣状分節性糸球体硬化症となる可能性が示されている.若年女性の痩せ願望や不規則な食生活など様々な要因があるが,現在本邦では年間10 万人以上の低出生体重児が出生している.低出生体重や早産が原因で低張尿や蛋白尿が出現するのは腎機能障害が進行してからのため,学校検尿では早期に発見できない可能性があり,小児科医は低出生体重にて出生した児に対して積極的なフォローを行っていく必要がある.また多くがcarry over していくことが予想されるため,成人で原因不明のCKD に遭遇したら出生体重と出生週数を問診することが必要である.
著者関連情報
© 2013 松江市立病院
次の記事
feedback
Top