松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
横行結腸癌を先進部とした成人腸重積症の1 例
石橋 聖之大谷 裕倉吉 和夫梶谷 真司河野 菊弘吉岡 宏金山 博友
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2014 年 18 巻 1 号 p. 79-82

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抄録
症例は52 歳,女性.腹部膨隆,嘔吐を主訴に救急外来を受診した.腹部CT 検査で左側腹部にtarget sign を認め,典型的なcolo-colic type の腸重積と判断した.高圧浣腸と内視鏡を用い整復を試みたが奏功しなかったため,緊急手術を施行した.重積を解除しない場合は陥入した横行結腸間膜の処理が難しく,悪性腫瘍の重積だった場合に郭清が不十分になると考え,Hutchinson 手技による整復を行った後に,左半結腸切除術を行った.先進部の腫瘍は,病理学的所見では横行結腸癌であり,根治手術ができた.一般に結腸癌に起因する腸重積の大部分はS 状結腸や盲腸であり,横行結腸癌が先進する例は比較的稀である.今回われわれは,横行結腸癌が先進した比較的稀な成人の腸重積症を経験したので文献的考察を含め報告する.
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© 2014 松江市立病院
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