松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
口腔を主症状として来院した重症筋無力症の一例
吉田 寛石倉 信造小田原 聖
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2014 年 18 巻 1 号 p. 83-86

詳細
抄録
重症筋無力症(MG)は,高齢発症の頻度が近年増加している.高齢発症のMG は,構音障害や嚥下障害の症状から脳血管障害と診断されることや,易疲労性の症状が加齢による変化と認識されることが多く,鑑別が難しい疾患である.初発症状は,眼瞼下垂や眼球運動障害による複視の眼症状が主である.今回われわれは,咬筋の脱力感のみの症状から診断に至った症例を経験したので,その概要と若干の文献的考察を加え報告した.症例は74 歳男性で,下顎の違和感を主訴に来院した.初診時に咬筋の脱力感を除き,他に異常を認めなかったことから中枢性の疾患を疑った.当院神経内科に紹介し,血液検査結果および胸部CT・MRI 所見から胸腺腫合併のMG と診断された.治療においては某大学病院へ依頼した.
著者関連情報
© 2014 松江市立病院
前の記事 次の記事
feedback
Top