松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
生後2 ヶ月の予防接種時に偶然発見された高度房室ブロックの1 例
辻 靖博呉 彰岡本 学田中 雄二
著者情報
ジャーナル オープンアクセス

2016 年 20 巻 1 号 p. 45-48

詳細
抄録
出生前および後も特に異常指摘されていない生後2 ヶ月の男児.当科での予防接種時に高度徐脈に気付かれ,心電図で心拍数60 回/分前後の2:1 の高度房室ブロックを認めた.その後体重増加不良あり,24 時間ホルター心電図で2:1 ~完全房室ブロックも認められ,生後6 ヶ月時に島根大学でペースメーカー植え込み術を施行.術後経過は良好で体重増加も改善した.基礎疾患のない小児の高度房室ブロックは比較的まれであるが進行し重篤な症状を発症する危険性が高く,早期発見と慎重なフォローが重要である.また,小児のペースメーカー植え込み術は成人以上に慎重な判断が必要であるが,乳児の場合,体重増加も一つの判断材料として有用と考えられた.
著者関連情報
© 2016 松江市立病院
前の記事 次の記事
feedback
Top