松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
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複数回の生検で診断に至らずESD で診断した表在型Barrett 食道癌の1 例
竹田 和希村脇 義之加藤 順谷村 隆志三浦 将彦堀江 聡河野 通盛吉村 禎二若月 俊郎吉田 学磯本 一
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2017 年 21 巻 1 号 p. 45-48

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抄録
繰り返す組織生検で診断に至らず,内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)で診断したBarrett 食道癌を経験した.症例は62 歳,男性.健診の上部消化管内視鏡検査を定期的に受けていた.2010 年に扁平上皮円柱上皮接合部6 時方向に白色隆起性病変を認めた.以後毎年の健診で同部位は,隆起の消失,自然出血,陥凹面の出現などの形態変化がみられた.2015 年までの5 年間で4 回の生検が行われたが,いずれも悪性を示唆する組織所見は得られなかった.2016 年に同部位は白色隆起と陥凹面を呈し,病変の基部は厚みを増していたため生検を施行した.一部粘膜筋板下に軽度の異型腺管を認め,高分化型腺癌が否定できないため,診断的治療目的にESD を施行した.切除病理組織診断の結果,粘膜下層深部に浸潤した表在型Barrett 食道癌であった.非治癒切除となり外科的追加切除を行った.Barrett 食道癌の一部には,深層には構造異型を呈する腺管が存在するが,表層では異型が乏しく診断困難な症例が存在する.内視鏡的に悪性を疑う症例に対しては,病変深部の切除を含めたESD を積極的に考慮する必要がある.
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