松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
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2 度の pre DIC をきたしながらも正常経腟分娩となった一例
池淵 愛高橋 正国佐藤 絵理田代 稚恵入江 隆紀川 純三
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2017 年 21 巻 1 号 p. 49-52

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抄録
産科DIC では急性かつ突発的に凝固亢進状態が惹起され,消費性凝固障害のためFibrinogen の低下を伴い,線溶優位で出血症状をきたし,母児ともに危険な状態となる.今回,私たちは妊娠中期に 2 度の pre DIC をきたしたにも関わらず自然軽快し,妊娠 36 週で自然頭位分娩にいたった症例を経験したので報告する.症例は30 歳女性,1 経妊1 経産.妊娠16 週のとき性器出血のため当院を受診した.絨毛膜下血腫を認めるもその後縮小した.妊娠18 週で再度絨毛膜下血腫を認めたが速やかに縮小した.妊娠19 週,突然多量の性器出血を認め,腹部板状硬と血液凝固異常がみられた.産科DIC スコアは6 点であり常位胎盤早期剥離が疑われたが,その後数時間で自然軽快した.妊娠21 週時に再び多量の性器出血と腹部板状硬,血液凝固異常を認め,同様に自然軽快した.これらの出血の前後に胎盤辺縁の絨毛膜下血腫がみられた.その後は問題なく経過し,妊娠36 週で自然経腟分娩となった.慢性早剥と巨大な絨毛膜下血腫により pre DIC をきたした可能性が考えられた.
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