抄録
症例は12 歳の男児.中学1 年生の心電図検診で,明らかな右軸偏位および胸部誘導でQRS 異常を指摘され,心エコーにて典型的な非対称性心室中隔肥大を認め,閉塞性肥大型心筋症と診断した.心エコー上,心筋肥厚は顕著で,左室流出路圧格差は36 mmHg と推定された.自覚症状も無く,ホルター心電図,トレッドミル検査でも不整脈や運動時の明らかなST 変化は認められなかったが,突然死の危険性有りと考え,厳重な運動制限とともにβブロッカー(アテノロール)の内服を開始した.その後,徐々に心筋肥厚は増強しており,僧帽弁逆流も出現.2 年後の心臓MRI では遅延造影法で心筋の一部繊維化も推測された.今後,外科的治療も含めた治療方針の再検討も考慮している.