2017 年 21 巻 1 号 p. 62-65
症例68 歳男性,右頭骨遠位端骨折に対する骨接合術に際して,肺機能障害があるためラリンジアルマスク(Laryngeal Mask Airway : LMA)を使用した.術中にマスク内が吐物で満たされているのを発見し,口腔内吸引の後に気管内挿管に切り替えた.術後は,誤嚥性肺炎の加療のため,高次治療室で人工呼吸による全身管理となった.LMA は手技が簡便で低侵襲であるため非常に有用な気道確保デバイスであるが,稀には嘔吐や誤嚥などの合併症をきたすことがあるため,その適応やサイズの選択は慎重に行う必要がある.