抄録
[目的]当院では平成26 年6 月に心臓リハビリテーション(心リハ)を開設した.心リハ開設による効果を検討したので報告する.[方法]平成25 年4 月から平成27 年6 月に当院循環器内科に入院した患者の入院日数,退院先転帰, ADL(Activities of Daily Living)状況等について当院の電子カルテから後方視的にデータを収集し,心リハ開設前後で比較した.[結果]心リハ開設前群202 例,心リハ開設後群225 例であった.入院日数はそれぞれ31.9±42.0 日,24.2±21.8 日, 自宅復帰率はそれぞれ84%, 91%, 歩行自立維持率はそれぞれ81%,91% と,心リハ開設後群において有意に良好であった.疾患別の比較では,急性冠症候群で心リハ開設後の入院日数の有意な短縮,自宅復帰率,歩行自立維持率の有意な向上が見られたが,心不全,その他の疾患では有意な差は見られなかった.ADL は,心リハ開設前群では全般的に退院時のADL レベルが低下した.心リハ開設後群では, ADL 自立群の退院時のADL レベルは入院前同様に維持された.疾患別の比較では,心リハ開設前の多くの群で退院時のADL は入院前と比べて有意に低下したのに対し,心リハ開設後では,急性冠症候群とその他の疾患群の全てのADL 群において,心不全群ではADL 自立群において,退院時のADL レベルは入院前同様に維持された.[結論]当院での心リハ開設後,入院期間の有意な短縮,自宅退院率の有意な向上が得られ,入院中の歩行能力とADL 介助量は維持された.特に急性冠症候群においてそれらの効果がみられたが,心不全症例での効果は限定的であった.