松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
慢性骨髄性白血病に合併した直腸癌の経験~治療方針の決定に難渋した1 例~
石黒 諒澤田 将平菅澤 健山田 敬教大谷 裕倉吉 和夫梶谷 真司河野 菊弘若月 俊郎
著者情報
キーワード: CML, 直腸癌, 化学療法
ジャーナル オープンアクセス

2019 年 22 巻 1 号 p. 85-87

詳細
抄録
症例は75 歳,女性.慢性骨髄性白血病(CML)と診断されイマチニブ(グリベックⓇ)を定期的に内服していた.2014 年夏,大腸癌検診にて便潜血陽性を指摘され,直腸癌の診断で11 月に手術が施行され,術後の病理組織学的検索でstage Ⅲ a の進行直腸癌と診断された.2015 年1 月から補助化学療法としてUFT/UZEL を開始した.5 月に分子遺伝学的効果major molecular response(MMR)を達成していたが,CML のbcr/abl 遺伝子変異が確認され再燃と診断され,術前から休薬していたイマチニブを再開したが骨髄抑制による汎血球減少が出現したためUFT/UZEL による治療を中止した.現在,状態の悪化はないものの薬物療法は必須と判断しイマチニブによる治療のみを継続している.
著者関連情報
© 2019 松江市立病院
前の記事 次の記事
feedback
Top