松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
安静時に呼気ガス測定値が変動する原因の検討と分析装置機種間の比較
杉原 辰哉鳥谷 悟田中 和美園山 睦子松浦 佑哉井原 伸弥黒崎 智之森山 修治上田 正樹森脇 陽子広江 貴美子古志野 海人山口 直人大嶋 丈史岡田 清治太田 哲郎
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2019 年 23 巻 1 号 p. 38-42

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抄録
【目的】心肺運動負荷試験(CPX)で安静時に認められる深呼吸や頻呼吸などの呼吸の変動による一過性のVO2,VCO2,R の変動の原因を分析し,この変動が2 種類の呼気ガス分析装置の測定で違いがあるかどうかについて検討すること.【方法】安静呼吸と深呼吸や速い呼吸,頻呼吸によるVO2 やVCO2,R の変動を非喫煙の30 代健常男性を対象としてCpex-1(インターリハ)とAE-310S(ミナト医科学)の2 機種の呼気ガス分析装置のセンサーを直列に接続して同時に測定し呼気ガス分析を行った.【結果】深呼吸や速い呼吸は,換気量の増加から少し遅れてR が上昇した.頻呼吸は,換気量の変化から少し遅れて開始直後と終了直後にそれぞれR が上昇した.全ての呼吸変動におけるR の変動時間は82.2±12.5 秒であり,2 つの機種間で差は認められなかった.【結語】呼吸の乱れによる換気量の変動は,その後にVO2 やVCO2,R の一時的な変化が70 ~ 90秒程度持続することを考慮して検査を実施する必要がある.また,この変動は2 つの機種間で差は認められなかった.
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