松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
当院ICU における早期離床・リハビリテーションの効果と課題の検討
松浦 佑哉黒崎 智之森山 修治上田 正樹小池 康平ICU看護師室 孝徳山本 恭代福永 典子徳田 佳生豊嶋 浩之
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2019 年 23 巻 1 号 p. 8-12

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抄録
【目的】2018 年診療報酬改定に基づき集中治療室(Intensive Care Unit: ICU)における,早期離床・リハビリテーション(リハ)加算が導入された.当院でも2018 年6 月から早期離床・リハ加算の介入が開始された.本研究の目的は当院の早期離床・リハ加算導入前後を後ろ向きに調査し,その効果を検討することである.【方法】2017 年6 月から2019 年5 月までのICU 入室患者のうち退室後もリハを継続した294 例を対象とし,早期離床・リハ加算開始を基準に2017 年6 月から2018年5 月までを通常群(156 例),2018 年6 月から2019 年5 月までを早期リハ群(138 例)の2 群に分類した.検討項目は基本情報,Sequential Organ Failure Assessment(SOFA)score,リハ開始病日,せん妄発症率,ICU 滞在期間,在院日数,退院時機能的自立度評価法(Functional IndependenceMeasure: FIM),自宅退院率とした.また,人工呼吸器管理患者は人工呼吸器管理期間を追加した.【結果】早期リハ群は通常群に比較して有意に在院日数が短縮し,退院時FIM が高値であり,自宅退院率も高く,人工呼吸器管理期間が短縮し,せん妄発症率が低いことが認められた(P < 0.05).【結語】早期離床・リハ介入により,人工呼吸器管理期間の短縮と日常生活動作能力の低下予防,それに伴う在院日数の短縮と自宅退院率の向上が示唆された.
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© 2019 松江市立病院
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