松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
心肺運動負荷試験における適切な最大酸素摂取量測定のための最大負荷レベルを示す指標の検討 
―呼吸代償開始点の重要性について―
杉原 辰哉田中 和美松浦 佑哉井原 伸弥黒崎 智之森山 修治上田 正樹森脇 陽子山口 直人中村 琢
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2021 年 25 巻 1 号 p. 32-37

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抄録
【目的】心肺運動負荷試験(CPX)における適切な最高酸素摂取量(Peak VO2)測定のための最大運動負荷レベルを示す指標を明らかにし,その指標と心機能や腎機能との関係を検討すること. 【対象と方法】10 W/minのRAMP負荷でCPXを実施し,Peak VO2時点のガス交換比(RER)が1.10以上で嫌気性代謝閾値(AT)と呼吸代償開始点(RCP)が同定できた57例(男性53例,年齢62.5±10.2歳)を対象とした.AT,RCP,Peak VO2時点のRER値と酸素摂取量の比率,差,運動時間の差について検討した.またBNP:100 pg/mL,LVEF:45 %,eGFR:60 mL/min/1.73 m2で2群に分類し,心機能や腎機能の影響について比較した. 【結果】RER値はAT:0.95±0.06,RCP:1.11±0.07,Peak VO2:1.23±0.08であり,RCP時点で57例中32例(56 %)が1.10以上,5例(9 %)が1.20以上であった.また心機能や腎機能低下症例ではAT以降の酸素摂取量の増加とRCP,Peak VO2までの時間経過に有意差がみられた. 【結語】CPXにおける適切なPeak VO2測定のためには,RCPの到達とRCPから90秒程度の負荷継続が望ましいと考えられた.また心機能や腎機能が低下している症例は,AT以降の酸素摂取量の増加や時間経過に注目して負荷を行う必要がある.
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