松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
院外処方せん疑義照会簡素化プロトコール導入後の負担軽減効果
仲西 友里奈野白 有里子周藤 真実若槻 美雪宇野 慶子坪内 敦志酒井 牧子河野 通盛
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2021 年 25 巻 1 号 p. 38-48

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抄録

当院では保険薬局からの疑義照会は医師に直接電話で行われているが,一包化や規格変更など調剤上の形式的な疑義照会が多く,医師・保険薬局それぞれに負担をかけている場合がある.形式的な疑義照会を減らし,医師・保険薬局双方の負担軽減を図る目的で,院外処方せんにおける疑義照会簡素化プロトコール(以下プロトコール)を作成し,2019年7月より運用を開始した.プロトコール導入により医師及び保険薬局の負担軽減が出来ているか評価するため,プロトコール適応件数とその内訳を集計し,医師およびプロトコール合意締結薬局を対象としたアンケート調査を行った. 院外処方せん総枚数に対する直接電話で行われた疑義照会件数の割合はプロトコール導入前後で有意に減少した.アンケート調査では医師の約50 %がプロトコール導入後に疑義照会が減ったと回答し,保険薬局の約70 %が業務負担が減ったと回答した.以上の結果から,疑義照会簡素化プロトコールの導入は医師および保険薬局の業務負担軽減につながったと考えられる.

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