松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
ペースメーカーリードの感染性心内膜炎の1症例
ジャーナル オープンアクセス

2004 年 8 巻 1 号 p. 109-114

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抄録
68歳男.完全房室ブロックのためVVIモードのペースメーカー植込み術を施行され,その後,肝腫瘍を反復していた.今回,発熱と悪寒が出現し,多発性肝腫瘍と敗血症と診断された.肝膿瘍の細菌培養検査ではKlebsiella pneumoniaeが検出され,抗生剤投与を行った.経胸壁心エコー図検査所見ではペースメーカーリードが右房内から三尖弁を通過して右心室に至るのが観察できたが,右房内のペースメーカーリードには,これを取り巻くようにやや輝度の高いエコーが認められ,近位部には輝度の高い部分と低い部分が混在する塊状エコーが認められた.また,この塊状エコーの一部にひも状の細かく振動する輝度の低いエコーが認められた.心エコー図所見と臨床所見から,possible感染性心内膜炎と診断した.開心術を行い,ペースメーカーシステムの除去と心筋電極を用いた再植込みを施行した.術中の観察では,右房内のリードの表面に柔らかい房状のvegetationが付着していた.摘出したvegetationはペースメーカーリードを取り巻くように付着しており,病理所見からこの組織は1~2週間経過したvegetationであると考えられた.その後の経過は良好で,退院1年9ヵ月後では肝膿瘍の再発は認められなかった.
© 2004 松江市立病院
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