松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
結腸壁の著明な肥厚を血便出現前に確認しえた腸管出血性大腸菌O157感染症の1例
田中 雄二堀 郁子福永 真紀小玉 永生
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2004 年 8 巻 1 号 p. 81-84

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抄録
12歳男子.主訴は腹痛,水様性下痢.初診時腹部CT所見で上行結腸壁の著明な肥厚と粘膜下層の低濃度化を認め,その厚さは最高19mmまで達していたが,急性虫垂炎を示唆する所見は得られなかった.結腸炎と診断し,便細菌培養(便培養)実施後,輸液,フロモキセフ(FMOX)点静にて治療を開始した.第3病日腹部CTを再検すると,壁肥厚は上行結腸だけでなく,横行結腸や下行結腸にも及び,最大28mmにも達した.O157感染症を疑い,便を検査対象とした迅速検査を試み,分離寒天平板上に出現していたコロニーからO157抗原を検出した.まだ第3病日であったため,ホスホマイシン内服をFMOX点静に変えて開始し,良好な感受性も確認されたため5日間継続した.激しい腹痛に対しては,ペンタゾシン皮下注とヒドロキシジン点静で乗り切った.溶血性尿毒症症候群を併発することなく,第7病日には便中のO157消失を確認,第10病日には退院となった
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© 2004 松江市立病院
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