廃棄物資源循環学会誌
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調査報告
八戸地域における資源循環型システムの実態
岩村 満岡村 隆成大津 正道太田 勝
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2009 年 20 巻 3 号 p. 134-141

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抄録
八戸地域の資源循環型システムにおいて大手素材産業5社によるエコタウン事業,およびそれと関係する事業や業種でのリサイクル事業の展開により,ゼロエミッションが顕著に進行している。とりわけ,八戸セメント(株)の役割が大きいが,大平洋金属(株)などの役目も大きな比重を占める。また,本業がゼロエミッションに密接な係りをもつ東北東京鉄鋼(株)や八戸鉄錬(株)の活動も特徴的である。これらの2事業所では本業が生産―販売―回収―再生利用のリサイクルを実現している。他方,農業においてもリサイクルが進展しており,長イモの残渣,鶏糞,豚糞が肥料として再生利用されている。そして,農業では,こうしたリサイクルに八戸広域農協 (現 八戸農協) や組合が大きな役割を担っている。ただし,八戸地域の資源循環型システムにおいても大量に発生するスラグや汚泥の処理の問題が存在し,その一つの方途として,東北東京鉄鋼(株)ではスラグの削減を,八戸製錬ではスラグの用途拡大に取り組んでいる。
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© 2009 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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