抄録
本稿では,EUと北米における廃棄物発生抑制の取り組みの動向を概観し,その内容を対象物,取組手法,国の3つの視点から整理した。その結果,発生抑制取組の計測手法の検討や優良事例等の情報共有・データベース構築の取り組みが進んでいること,パートナーシップに基づく取り組みや協定が多用されていること,食品ごみ,紙ごみ,容器包装廃棄物,使い捨ておむつの削減は多くの国で注目されていること,家庭ごみだけでなく事業系ごみや産業廃棄物,有害廃棄物の発生抑制が意識されていることを確認できた。個々の取り組みは日本と類する点も多いが,啓発手段ではコーチング手法の導入事例,リユースでは素材のリユースを行う事例があるなど,取り組みの多様性が広がっており,海外から学ぶことも多いと考えられた。