抄録
携帯電話は,単なる 「通話の道具」 であったところにさまざまな機能が加わって 「便利な多機能ツール」 に発展し,さらに 「おもちゃ」 としての側面も兼ね備えたものに進化した。そのため携帯電話は,通話機能を使用しなくなった後にも,その他の機能を目的に二次利用され,結果としてデジタルカメラ等の消費財を代替している。このことは,資源利用量の抑制と,使用済み製品の排出抑制につながっている。他方で,携帯電話等からの資源回収も,資源利用量の抑制につながるが,二次利用すらされぬまま退蔵されている端末も多い。
そこで,退蔵された小型家電からの効率的な資源回収を目指し,自治体等が小型家電を回収して,認定事業者が資源回収する法制度が検討されている。また,国内外で中古端末や部品リユースのビジネスも徐々に拡大しており,携帯電話の多機能化は,携帯電話の3Rに影響を与えているといえるが,不正利用や模造品製造などの課題も残されている。