廃棄物資源循環学会誌
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特集 循環型社会における埋立処分のあり方
最終処分場の現行類型の問題点と新たな類型の提案
山田 正人 遠藤 和人
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2012 年 23 巻 5 号 p. 348-355

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抄録

世界的に循環型社会が意識しはじめられた 1990 年台後半から,持続可能型埋立という概念が議論されてきたが,最終処分場というエンドオブパイプ技術のみでは,持続可能型埋立の実現は困難である。著者らは,廃棄物フローの,より上流側に目を向け,廃棄物の品質を管理し,質と用途に対応した環境保全機能を有する三つの埋立類型を提案した。(1) 資源備蓄型埋立:現時点での資源価値は低いが,将来的に資源価値が高まる可能性のある廃棄物は他の廃棄物と分離し,資源価値が損なわれない機能を備えた施設に備蓄する。(2) 土地造成型埋立:埋立後の環境負荷のごくわずかな廃棄物は,環境負荷が極小となる用途を選定し,物や位置等の情報を管理した上で地盤材料等として利用する。(3) 安定化促進型埋立:以上の 2 類型に当てはまらず,埋立後に環境負荷を早期 (30 年程度) に低減することが可能な廃棄物は,隔離と安定化促進のための機能を備えた施設で処分する。

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© 2012 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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