抄録
レアメタルは自動車や IT 製品等の製造に必要不可欠な素材であり,わが国の産業競争力の要である。他方でその希少性や偏在性,生産国の輸出政策や政情等により,供給リスクや価格が乱高下するリスクを常に抱えている。こうした事情を踏まえて,今後レアメタルを含む使用済製品の排出量が大幅に増加することを見据え,現段階から使用済製品の回収量確保やリサイクルの効率性の向上といった諸課題への対応策を講じることにより,リサイクルによる資源確保を着実に進めていくことが必要である。このため,2011 年 11 月より,産業構造審議会と中央環境審議会の合同会合を開催し,レアメタルを含む主要製品全般を横断的に対象としてレアメタルのリサイクルに係る課題と対応策について検討を行い,2012 年 9 月に中間取りまとめを提示したところである。本稿では,同取りまとめの内容について紹介する。