廃棄物資源循環学会誌
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特集:廃棄物の化学試験法 (環告13号試験,溶出試験)
溶出試験の現状と課題
――公定法と国際標準化の動向――
肴倉 宏史
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2014 年 25 巻 5 号 p. 361-368

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抄録
溶出試験は,廃棄物,循環資材,土等の,溶出に関する何らかの特性や品質を試験するために行われる。溶出試験には,環告 13 号等の判定試験以外にも,使用する溶媒の種類や溶出操作を変えたりすることで,さらに多くの溶出特性を知ることのできるさまざまな特性化試験がある。海外では,廃棄物や土等の分野を超えて評価アプローチの共通化が進められている。日本では,公定法や学協会が定める方法として多くの判定試験があるが,海外を参考に特性化試験の標準化を進める必要がある。
 近年,スラグや石炭灰等の循環資材を有効利用するための “環境安全品質検査方法” が提案された。環境安全品質は二段階で検査され,第一段階で実施される “環境安全形式検査” には特性化試験が,第二段階で全ロットに実施される “環境安全受渡検査” には判定試験がそれぞれ適しており,最適な試験の導入が望まれる。
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© 2014 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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