抄録
2013 (平成 25) 年 2 月に「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法 (昭和 48 年 2 月 17 日環境庁告示 13 号)」の改正が行われたが,イオンクロマトグラフ法を採用するようにパブリックコメントで要望のあった有機塩素化合物測定方法については,従前の水銀含有試薬を用いる吸光光度法が採用された。イオンクロマトグラフ法の採用が見送られた理由は,操作の中で用いる試薬によって検液が強アルカリ性となり,その中和に硝酸を用いていることから,測定時に大量の希釈を行わなければならず,定量下限値が基準値を上回ってしまうためであった。しかし,炭酸サプレッサにより除去の可能な炭酸を用いて中和を行うことで,大量希釈を行わなくても測定が可能となるため,有機塩素化合物の測定方法にイオンクロマトグラフ法を採用することは可能である。