廃棄物資源循環学会誌
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25 巻 , 5 号
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巻頭言
特集:廃棄物の化学試験法 (環告13号試験,溶出試験)
  • 貴田 晶子
    2014 年 25 巻 5 号 p. 321-329
    発行日: 2014/10/07
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    廃棄物の水溶性有害成分を判定する溶出試験 (環告 13 号による規制試験) は制定後 40 年経ち,2013 (平成 25) 年 2 月に大きく改正された。制定当初の考え方を振り返り,新たに改正された内容を詳述した。改正における議論では,科学的に説明しうるもの (報告例や実験的検討) が採用されている。主たる改正は,新たな機器の進歩に対応する検定方法の採用,および精度向上に寄与する操作上の記載内容の変更である。溶出試験は廃棄物の「特性化試験」の一つであり,環境への有害性をすべて表すのではなく,そのまま管理型処分場等に処分できるかどうかを判定するものである。それ以上の意味では評価できない。廃棄物を採取する人,廃棄物のデータを出す人,データを読む人にそれぞれ,環告 13 号の試験方法がもつ意味と,廃棄物自体および試験法に由来するばらつきを認識されることを望む。
  • 坂本 広美
    2014 年 25 巻 5 号 p. 330-335
    発行日: 2014/10/07
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    2013 (平成 25) 年 2 月に約 10 年ぶりに改正された「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法」(昭和 48 年環境庁告示 13 号) の試験方法を中心として,新たに学会発行の分析マニュアルを作成することになった。1996 (平成 8) 年に出版された「産業廃棄物分析マニュアル」((社) 日本環境測定分析協会発行) の改訂版という位置づけである。今回発行予定のマニュアルには,廃棄物だけではなく,土壌および再生製品等に関する分析方法も合わせて登載する予定である。本稿では,その概要について紹介する。
  • ――溶出試験に関する検討を中心に――
    富田 恵一, 若杉 郷臣
    2014 年 25 巻 5 号 p. 336-345
    発行日: 2014/10/07
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    (地独) 北海道立総合研究機構工業試験場では,過去 35 年にわたって北海道内の環境計量証明事業所を対象に,共通試料を調製および配付して共同分析研究会を実施することにより,水質,土壌および産業廃棄物等の分析に関する技術検討と精度管理を行ってきた。本事業では,単に共同分析の分析結果を集計し,統計処理を行うだけでなく,計量証明事業所から分析に関する質問を受け,文献等の紹介とともに必要に応じて当場で実験による検討も行い回答してきた。最近では特に,分析の前処理に関しての細かな留意点に関して質問が多く寄せられている。本報告では,ここ数年の間に実施された溶出試験を伴う土壌や産業廃棄物の溶出試験を伴う共同分析を中心に,固液分離,前処理,各種機器分析測定における検討事例について紹介する。
  • 藤森 英治
    2014 年 25 巻 5 号 p. 346-355
    発行日: 2014/10/07
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    本稿では,改正環告 13 号試験における金属類の分析において,留意すべき点について概説する。まず,溶出液のろ過に使用されるろ過材の材質が金属類の分析値に与える影響について,ガラス繊維ろ過材,セルロース混合エステル性メンブランフィルター,親水性 PTFE フィルターを用いて比較を行った。その結果,ばいじんや下水汚泥焼却残さ溶出液ではろ過材の材質による分析値の違いはあまりみられなかったが,有機物を高濃度に含む下水汚泥溶出液では,親水性 PTFE フィルターでろ過が困難であり,また他のろ過材と比較して明らかに金属類の濃度が低濃度となった。これは,溶出液中の有機物が親水性 PTFE フィルターの表面に吸着し,有機物と錯形成をするような元素がろ過により除去されたためであると考えられる。また,誘導結合プラズマ発光分析法および誘導結合プラズマ質量分析法を廃棄物分析に適用する際の干渉や,その対策法についても概説した。
  • 井上 豪
    2014 年 25 巻 5 号 p. 356-360
    発行日: 2014/10/07
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    2013 (平成 25) 年 2 月に「産業廃棄物に含まれる金属等の検定方法 (昭和 48 年 2 月 17 日環境庁告示 13 号)」の改正が行われたが,イオンクロマトグラフ法を採用するようにパブリックコメントで要望のあった有機塩素化合物測定方法については,従前の水銀含有試薬を用いる吸光光度法が採用された。イオンクロマトグラフ法の採用が見送られた理由は,操作の中で用いる試薬によって検液が強アルカリ性となり,その中和に硝酸を用いていることから,測定時に大量の希釈を行わなければならず,定量下限値が基準値を上回ってしまうためであった。しかし,炭酸サプレッサにより除去の可能な炭酸を用いて中和を行うことで,大量希釈を行わなくても測定が可能となるため,有機塩素化合物の測定方法にイオンクロマトグラフ法を採用することは可能である。
  • ――公定法と国際標準化の動向――
    肴倉 宏史
    2014 年 25 巻 5 号 p. 361-368
    発行日: 2014/10/07
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    溶出試験は,廃棄物,循環資材,土等の,溶出に関する何らかの特性や品質を試験するために行われる。溶出試験には,環告 13 号等の判定試験以外にも,使用する溶媒の種類や溶出操作を変えたりすることで,さらに多くの溶出特性を知ることのできるさまざまな特性化試験がある。海外では,廃棄物や土等の分野を超えて評価アプローチの共通化が進められている。日本では,公定法や学協会が定める方法として多くの判定試験があるが,海外を参考に特性化試験の標準化を進める必要がある。
     近年,スラグや石炭灰等の循環資材を有効利用するための “環境安全品質検査方法” が提案された。環境安全品質は二段階で検査され,第一段階で実施される “環境安全形式検査” には特性化試験が,第二段階で全ロットに実施される “環境安全受渡検査” には判定試験がそれぞれ適しており,最適な試験の導入が望まれる。
  • 乾 徹, 勝見 武
    2014 年 25 巻 5 号 p. 369-377
    発行日: 2014/10/07
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    土壌汚染対策法が定める土壌溶出量試験は,産業廃棄物の溶出試験と試験操作や適用基準の考え方が相互に関係しており,共通点も多い。その一方で,土壌と廃棄物の特性の相違に起因して,土壌溶出量試験やその結果を用いた環境影響評価は産業廃棄物とは異なる課題を有している。本稿では,土壌溶出量試験の試験操作や基準適用の考え方,技術的課題を産業廃棄物の場合と比較しながら整理をした。続いて,著者らが実施した掘削岩石を対象とした溶出試験結果を概観し,溶出試験時の試料調整に関係して岩石の破砕のしやすさと破砕粒度が溶出特性に及ぼす影響を考察した。さらには,これらの課題を受けて近年取り組まれている土壌や岩石を対象とした新たな溶出試験方法の確立に関する検討をレビューし,今後の土壌溶出量試験のあり方について議論を行う。
技術報告
  • 米山 健太郎, 山崎 武志, 益子 光博, 木幡 賢二
    2014 年 25 巻 5 号 p. 378-383
    発行日: 2014/10/07
    公開日: 2021/04/23
    ジャーナル フリー
    焼却施設では,焼却時の酸性ガスの除去や焼却飛灰中の重金属を固定するために薬剤処理が適用される。酸性ガス処理剤は飛灰処理にも影響を及ぼすため,全体の薬剤処理を考える上では,ガス処理性能と併せてそのときの飛灰性状も把握しながら進める必要がある。実機において飛灰アルカリ度低減型の新規酸性ガス処理剤と無機リン酸系重金属固定剤とを組み合わせ,薬剤処理の最適化を検討した結果,焼却飛灰のアルカリ度は従来の高反応消石灰処理に比べ 50 % 以上低減され,リン酸系重金属固定剤の使用量が大幅に削減された。また,従来の高反応消石灰およびキレート処理の組み合わせに比べ,焼却飛灰の重金属固定処理の安定性も高めることができた。
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