廃棄物資源循環学会誌
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特集:巨大災害廃棄物対策
廃棄物処理のための法制度における災害対策の意義
山田 智子
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2015 年 26 巻 5 号 p. 335-340

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抄録
2015 年 7 月に制定・公布された「廃棄物の処理及び清掃に関する法律及び災害対策基本法の一部を改正する法律」には,環境省がこれまで進めてきた災害廃棄物対策の一層の推進力となることが期待されている。本改正の目的は,それに向けて,災害廃棄物対策に取り組む関係者の認識を一致させ,関係者が協働するときの大きな方向性を示すことに置かれた。そのため,改正法の主眼も,既存の廃棄物処理制度を実質的に改正することよりは,災害廃棄物対策の基本的な考え方とその全体像,すなわち法的枠組みを整理し,制度として明示することに置かれた。この改正法の主な法的意義は,(1) 災害の規模に応じて災害廃棄物対策のための制度を整備したこと,(2) 災害廃棄物処理に係る関係主体の拡大とその役割の再整理を行ったこと,(3) 国が廃棄物処理を代行する仕組みを固定化したこと,(4) 防災法制において個別の行政分野 (災害廃棄物対策) の拡充を行ったこと,に求めることができる。
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© 2015 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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