近年,資源効率についての世界的な議論が活発化している。欧州委員会では 2015 年 12 月に,資源効率向上のための主要な政策パッケージである 「循環経済パッケージ」 を公表した。また,G7 においても資源効率は主要なアジェンダの一つとなってきている。2015 年のエルマウサミットにおいては,ベストプラクティス共有のための 「資源効率のための G7 アライアンス」 設立が合意された。また,わが国が議長国を務めた伊勢志摩サミットプロセスにおいても,「富山物質循環フレームワーク」 が採用されるなどの進展があった。
こうした国際的な潮流を踏まえ,わが国の資源循環政策はどうあるべきか。そこには守りの観点のみならず,攻めの観点も求められる。わが国の強みを活かしていくための資源循環政策の今後のあり方について検討する。