抄録
2015 年のエルマウ・サミット首脳宣言からの招請に応え,UNEP 国際資源パネル (IRP) は資源効率性に関する評価報告書を 2016 年 5 月の富山環境大臣会合に報告した。本稿ではまず,そこに至る背景として,3R,資源効率性などの主要概念をとりまく国際的活動の進展と日本の関与の経緯について概説する。国際資源パネルは自然資源の持続可能な管理に関する科学的アセスメントの提供のために 2007 年に設立され,20 編の評価報告書を出版してきた。G7 へ報告した資源効率性評価報告書政策決定者向け要約では,持続可能な開発目標や気候変動目標にも触れた 5 つのキーメッセージを発出した。結論では,資源効率性に関する国内および国際目標を採択し,その進捗をモニタリングすべきことにも言及している。資源効率性の向上に関するベスト・プラクティスに関する章では,部門横断的・資源横断的に,サプライチェーン全体を視野に入れたアプローチに取り組むことの重要性などを指摘している。