抄録
温泉熱を活用した小型メタン発酵システムを使って,地域参加型の原料運搬やメタン発酵消化液の後肥利用による資源循環システムの構築を行った。メタン発酵で得られたバイオガスをコンロのエネルギー源にする,「エネカフェメタン」 というカフェを併設することで,生ごみを持参するとお茶が飲める仕組みが共感を得て,すでに 1,900 人以上の会員が集まり,ごみの回収と液肥利用のシステムが完成した。ごみの回収・資源循環を通して人々のコミュニケーションが生まれ,幸せを感じることができるシステムにもなっており,顔が見える地域づくりの拠点や温泉エネツーリズムとして観光資源にも発展している。本論文では,このシステムについて紹介し,今後の展開について述べる。