廃棄物資源循環学会誌
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特集:バイオマス利用の新潮流
バイオマス系廃棄物等の流動ガス化
髙橋 正光 細田 博之早川 諒
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2017 年 28 巻 1 号 p. 37-44

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抄録

地球温暖化防止 (温室効果ガス (GHG) 削減),資源循環の観点からバイオマスの活用,エネルギーの有効利用は重要な課題である。バイオマス系廃棄物による発電は,天候等に左右されない安定的な電源として期待を集めている。地域性の高いバイオマスを用いた小型分散型の発電を普及させるには,中小規模の施設でも売電が可能な高効率発電技術が必要となる。流動ガス化技術は,施設規模に左右されないガスエンジン発電向けの気体燃料やその他の液体原燃料製造への展開が期待できる技術であり,処理対象物やガス化条件によりどのようなガスが合成できるか,その情報を蓄積することが重要である。残念ながら,まだ熱分解ガス化とガスエンジンを組み合わせた発電施設は少ないが,改質を行わずガス化したガスを完全燃焼させるガス化燃焼の一般廃棄物処理や木質バイオマス発電への採用が進んでいる。木質バイオマス発電施設では,総空気比 1.2 を切る低空気比での運転によりボイラ効率は 90 %,発電効率 29 % を可能とした。

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© 2017 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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