廃棄物資源循環学会誌
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特集:バイオマス利用の新潮流
多原料バイオコークス (BIC) による一般廃棄物処理施設での CO2 排出量 25 % 削減の長期実証
角間崎 純一 橋本 敬一郎内山 武奥山 契一堀内 聡
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2017 年 28 巻 1 号 p. 53-62

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抄録

バイオコークス (以下,BIC) は,カーボンニュートラルな新燃料として期待されている。ガス化溶融炉方式一般廃棄物処理施設は,高い環境性と灰の減容化を達成できる技術として国内に普及している。本事業では,灰溶融熱源として定常的に使用される石炭コークスを BIC で一部代替し,CO2 排出量 25 % 削減を実現する技術の長期実証を目的としている。また,横手市周辺地域で発生する籾殻,廃菌床およびバーク等の未利用バイオマスを用い,それらを複数混合した安価な多原料 BIC 製造技術開発を行う。
 2015 (平成 27) 年度は,縦型製造装置にて多原料 BIC の試験製造を実施し,各バイオマスの製造条件を把握した。また,横型製造設備にて多原料 BIC の連続製造を実施し,約 40 ton の多原料 BIC を一般廃棄物処理施設のガス化溶融炉に供給した。延べ約 1 カ月間の実証試験より,多原料 BIC の石炭コークス代替効果およびガス化溶融炉の運転に支障が出ないことを確認した。

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© 2017 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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