廃棄物資源循環学会誌
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特集:プラスチック二次資源化としての役割と技術展開
プラスチックマテリアルリサイクルに関する新しい技術展開
八尾 滋 冨永 亜矢
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2018 年 29 巻 2 号 p. 116-124

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抄録
マテリアルリサイクルされたプラスチックは,高分子鎖の破断を伴う化学劣化をしているために,力学物性が著しく低下しているとされている。また,この原因のため再生は不可能とされており,これがマテリアルリサイクルの比率が向上しない主要因となっている。
 一方,われわれは高分子物性的知見から基礎研究を行い,マテリアルリサイクルされたプラスチックの物性低下の主要因が,内部構造変化による物理劣化であること,また,成形法を選択することでバージン品とほぼ同等の物性値まで再生できることを見いだした。さらに射出成形品の物性がペレタイズの作成条件に大きく依存することも見出した。加えてその過程で,ペレタイザーに樹脂溜まりという新たな装置要素を加えることで,良好な物性を示すペレットを安定して作成できることも見出した。
 これらの知見は,廃棄プラスチックのマテリアルリサイクルの促進に大きく貢献するものである。
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© 2018 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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