廃棄物資源循環学会誌
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29 巻, 2 号
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巻頭言
特集:プラスチック二次資源化としての役割と技術展開
  • 半場 雅志, 井田 久雄
    2018 年29 巻2 号 p. 99-107
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー
    プラスチックの循環利用としては,大きくマテリアル,ケミカル,そしてサーマルリサイクルがあるが,廃プラスチックの排出先,性状,形態に応じて種々のリサイクル手法が開発,適用され,現在国内では,廃プラスチック全体の 84% が有効利用されている。循環型社会形成へ向けての各種の取り組み,あるいは消費者のごみ削減意識の向上により,廃プラスチック量が漸減する中,リサイクル量は増加しており,特にサーマルリサイクル量の増加が著しい。マテリアルリサイクルに関しては,再生品拡販のため,品質の向上に注力しているところであるが,2013 年に始まり,2017 年に顕在化した中国の廃プラスチック輸入規制により,特に低品質の再生材料の受け皿の変更を余儀なくされている。今後,輸出継続のための分別・洗浄強化等の実施,国内利用促進に向けた対応が必要と考えられる。
  • 堂坂 健児
    2018 年29 巻2 号 p. 108-115
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー
    近年の世界各地域における CO2 削減要求から,自動車会社は急激な電動化シフトを始めていることは周知のとおりである。この電動化加速の波は,AI による自動運転やコネクテッドカーと相まって自動車会社にさまざまな影響を与えており,100 年に一度の大変革期ともいわれている。電動化自動車は高性能モーターや大容量のバッテリーの搭載により大幅な燃費の向上が得られる一方,車両重量は増加しているのが現状である。今後,電動化の恩恵を最大限に享受するためには車両の軽量化は避けられず,樹脂材料への期待が高まっている。今までの樹脂材料は自動車の内装部品での活用が主流であったが,今後は軽量化材料のみならずその成形自由度から意匠性向上の観点でも樹脂材料の多用が想定される。本稿では,自動車における樹脂材料採用の歴史を振りかえりながらその可能性を展望するとともに,使用済み自動車となった際に発生する ASR の減量化課題についても言及したい。
  • 八尾 滋, 冨永 亜矢
    2018 年29 巻2 号 p. 116-124
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー
    マテリアルリサイクルされたプラスチックは,高分子鎖の破断を伴う化学劣化をしているために,力学物性が著しく低下しているとされている。また,この原因のため再生は不可能とされており,これがマテリアルリサイクルの比率が向上しない主要因となっている。
     一方,われわれは高分子物性的知見から基礎研究を行い,マテリアルリサイクルされたプラスチックの物性低下の主要因が,内部構造変化による物理劣化であること,また,成形法を選択することでバージン品とほぼ同等の物性値まで再生できることを見いだした。さらに射出成形品の物性がペレタイズの作成条件に大きく依存することも見出した。加えてその過程で,ペレタイザーに樹脂溜まりという新たな装置要素を加えることで,良好な物性を示すペレットを安定して作成できることも見出した。
     これらの知見は,廃棄プラスチックのマテリアルリサイクルの促進に大きく貢献するものである。
  • 河済 博文
    2018 年29 巻2 号 p. 125-132
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー
    混合プラスチックから高純度で単一素材のプラスチックを選別回収する手段として,高精度・非接触・高速という光学識別の特徴を活かしたソーティング機器は不可欠なものである。その開発の動向を,主に光計測技術の面から明らかにした。まず,光学識別の基礎となる分光測定について解説し,光学識別がプラスチック選別回収フローの中で使われている状況を概観した。具体的な光学識別手段として,近赤外吸収,中赤外吸収,ラマン散乱,透過 X 線による方法を取りあげた。近赤外吸収法では性能向上が著しい分光カメラによるハイパースペクトルイメージングについて,ソーティングで利用した際の性能を評価した。中赤外吸収法では今までにない新しい黒色プラスチック識別の例を紹介した。ラマン散乱法では著者らの開発したソーティング装置の長所短所をまとめた。X 線透過法では RoHS 指令への対応を考慮した臭素系難燃剤を含むプラスチックの除去や使用済み自動車由来のプラスチックに多く含まれるタルクの検出について紹介した。
  • 加茂 徹
    2018 年29 巻2 号 p. 133-141
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー
    炭素繊維強化プラスチック (CFRP) は軽くて丈夫で,自動車等に用いた場合に車両を軽量化して燃費を向上させることができる。炭素繊維は製造時にエネルギーを多く消費するが,リサイクルすることにより自動車等のライフサイクルエネルギーを大幅に削減できると期待されている。CFRP から炭素繊維を回収する方法としては,物理的あるいは化学的な手法が数多く提案されている。炭素繊維は不活性なガス雰囲気中では加熱しても引張強度等の物性劣化はほとんどないが,酸素,水蒸気,強酸等によって物性が劣化すると報告されており,炭素繊維にダメージ与えずにプラスチックを取り除くことがリサイクルの重要な技術的課題となっている。炭素繊維のリサイクルを普及させるためには,回収された炭素繊維を用いた製品の開発や,回収された炭素繊維の品質やトレーサビリティーを表示する標準規格化等の社会システムの整備も重要である。
  • 白鳥 寿一
    2018 年29 巻2 号 p. 142-151
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー
    わが国の 2015 年における廃棄プラスチックの総量 915 万 ton のうち 18.7% が電気・電子機器・配線に由来するものであるといわれている。廃電子電気機器は,世界的にも E-Waste として問題となっており,日本では家電リサイクル法,小型家電リサイクル法として社会システムが運用されている。一方 EU では,WEEE 指令の下で各国がすべての廃電子電気機器を集めている。両方の社会システムは,策定時の目的も品目も異なるが,プラスチックの処理には課題を残す。今後,より多くの廃電子電気機器を集めることで,そのプラスチックも有効に利用・処理していかなければいけない。本稿では,両国の廃電子機器の処理の社会システムについてプラスチックの観点から比較してみたものである。
  • ――二次原料としての使用済みプラスチックの価値とハロゲン対策――
    齋藤 優子, 熊谷 将吾, 亀田 知人, 吉岡 敏明
    2018 年29 巻2 号 p. 152-162
    発行日: 2018年
    公開日: 2019/03/31
    ジャーナル フリー
    本稿では,プラスチックリサイクルが直面する課題を整理したうえで,プラスチック製品の安全性や機能性に大きく寄与している塩素や臭素等のハロゲンに焦点を当て,その対策を紹介する。プラスチックリサイクルの観点からは,ハロゲン除去が課題となっている。使用済みプラスチックの高度なリサイクルは,プラスチックの二次原料としての価値を高めるとともに,有用金属やレアメタル等の回収効率にも寄与すると考えられる。本稿では,プラスチックリサイクルで忌避されるハロゲンに焦点を当て,脱ハロゲン技術のこれまでの経緯と現状を紹介した。また,サーキュラーエコノミーパッケージの中でプラスチック二次原料品質基準の検討が進む EU の事例を取りあげ,今後使用済みプラスチックの高資源化の位置づけについて概観した。
廃棄物アーカイブシリーズ/『ゴミ戦争』の記録
平成29年度廃棄物資源循環学会,資源・素材学会包括的資源循環利用システム部門委員会 共催セミナー報告
廃棄物資源循環学会研究部会報告
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