抄録
太陽光発電設備は,地球温暖化対策やエネルギーセキュリティ向上への期待から,1990 年代から増加しはじめ,2009 年の RPS 制度 (再生可能エネルギー利用割合基準制度) を経て,2012 年の全量固定価格買取制度 FIT 制度) によって,大幅に導入が進んだ。現時点では,使用済み太陽光パネルはリユース可能なものが多く,またリユースがされない場合も,アルミ製の外枠や発電部位に使用されている銀等の有用金属が回収可能である。他方,ガラスとその他との分離の難しさや,透光性を高めるためにガラスに使われている消泡剤,耐候性を高めるために用いられているバックシート部分の特殊な樹脂等により,リサイクルは容易ではない。2030 年代には排出が増加することが予想されているほか,既に施工不良や災害等で排出が始まっている。3R 原則にのっとり,リユース,リサイクル,適正処理がなされるように対策を講じていく必要がある。