抄録
横浜市は 1950 年代以降の高度経済成長期に人口急増とそれに伴うごみの激増を経験した。社会問題となったごみ問題を解決するため,定時収集,全量焼却を実施していたが,長い間続いた大量消費・大量焼却からの脱却を目指し横浜 G30 プランを策定し,市民の協力の下,分別とリサイクルを徹底してごみ量の大幅削減に成功した。
現在,アフリカ諸国の多くが,かつての横浜市と同様の都市化の進展とごみの激増に苦しんでいる。そこで,横浜市は,かつての経験で得たノウハウをアフリカ諸国へ伝える支援を行っている。その基盤となっているのが環境省や JICA 等と設立した「アフリカのきれいな街プラットフォーム」(ACCP) である。ACCP での活動をはじめとする国際協力は,行政サービスとして直接的に市民に還元できる事業ではないが,活動を通じて行政自身の視野も広がり,ここで得られた学びを,国内外社会の情勢にあった政策展開に活かせると考える。