廃棄物資源循環学会誌
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特集:廃棄物資源循環分野における国際協力の近年の動向 (その2) 後発開発途上国支援
廃棄物資源循環分野における開発途上国支援と SDGs の取り組みに向けた課題
吉田 充夫
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2020 年 31 巻 2 号 p. 89-99

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抄録
これまで日本が過去 30 余年の間実施してきた廃棄物資源循環分野の主要政府開発援助 (ODA) 事業 87 案件をレビューした。その結果,都市の廃棄物処理の改善を課題とする初期の協力から,3R を導入した循環型の総合的廃棄物管理の確立のための協力まで,全体として発展してきていることが認められた。今後は SDGs への取り組みと協調して,ゴール 11 「住み続けられるまちづくり」 およびゴール 12 「つくる責任つかう責任」の 7 ターゲットの達成に向けた重点的協力が必要である。これらは従来の支援協力が発展させてきた内容の延長上にあり,ゴール 11 に向けた取り組みは先取り的に実施してきたといえるが,ゴール 12 に向けた取り組みについては未だ初歩的な段階にある。 2 ゴール 7 ターゲットを横断的に捉え統合的に対処していく必要がある。本課題を達成するためには,過去の協力経験を踏まえた公的セクターへの能力向上支援に加え,資源循環や循環経済形成においての民間セクターとの新たな連携と協調が不可欠である。
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© 2020 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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