廃棄物資源循環学会誌
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特集:食品ロス半減に向けて
家庭系食品ロスの発生抑制施策の展開に向けて
山川 肇
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2020 年 31 巻 4 号 p. 262-272

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抄録
本稿では,いくつかの社会実験や政策を参考にしながら,家庭系食品ロスの発生抑制施策の展開可能性について考察した。初めにごみ減量施策の設計に貢献しうる 21 の介入タイプを例示した。次に家庭系食品ロスの発生抑制施策のターゲット行動の候補として 25 の行動をあげ,それらの食品ロス削減可能性について検討した。その結果,在庫使い切り行動を主要なターゲット行動候補として提示した。次いでその促進施策を検討したところ,週 1 回の冷蔵庫整理を促すキャンペーンが効果的であると期待された。キャンペーンで必要とされる取り組みについても論じた。その効果検証が今後の課題である。その他,家庭系食品ロス削減を目的とした有料化や料金改定の可能性について考察した。キャンペーン・デザインについては,英国 WRAP の取り組みを先進事例として紹介した。最後に国への期待として行動インサイトチームの組織化等について述べた。
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© 2020 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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