廃棄物資源循環学会誌
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特集:最終処分場からの POPs およびその候補物質の浸出実態の把握手法および長期的な溶出予測手法の開発
POPs を含有する廃棄物の関連動向と環境省の取り組み
寺西 制
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2021 年 32 巻 1 号 p. 3-7

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抄録

2004 年に発効されたストックホルム条約では,残留性有機汚染物質 (POPs) を指定しており,その製造および使用の廃絶・制限,排出の削減,含有する廃棄物等の適正処理等が規定されている。POPs を含む廃棄物については,その国内における適正処理を推進するため,PCB については特別措置法が制定されており,農薬類や PFOS についてはそれぞれの分解処理に係る要件等を記載した技術的留意事項を策定してきたところである。さらに,POPs 廃棄物処理の制度的なあり方の検討を開始しており,具体的な制度を検討していくにあたって,その適切な位置づけや現状の取り扱い状況等の精査等をさらに進めることにより,検討を深めていきたいと考えている。また,臭素系難燃剤の POPs を添加した廃プラスチックについては,その適正処理方法を定めること,および判別・分別に関する対応方策を検討していくことが必要と考えている。フッ素系界面活性剤の POPs については,今後の PFOA の国内規制を見据えて,適正処理方策や分析方法の整備等の必要な対応を検討していきたいと考えている。今後とも,実効的な政策形成のために,研究開発分野と連携させていただければと思う。

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© 2021 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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