2021 年 32 巻 3 号 p. 189-194
地域資源の一つである再生可能エネルギーの利用促進等を通じた脱炭素社会の構築に向けた小田原市の取り組みを紹介した。取組内容としては,地産電力の供給体制を段階的に構築し,将来的な再生可能エネルギーの大量導入を可能にするため,蓄電池等を組み合わせた面的なエネルギーマネジメントの高度化に向けて取り組んでいる。また,清掃工場から排出される二酸化炭素を分離・回収してメタンを生成するまでを,商用化規模で実証し,技術を確立するための事業にも協力している。
取り組みのアプローチとしては,一貫して公民の連携を重視し,自立的かつスピード感をもち,地域外の先進技術と地域内企業の連携を拡大している。
エネルギーの地産地消が地域内経済循環を改善するのみならず,地域貢献活動への資金循環につながる仕組みを構築している。また,エネルギーマネジメントが地域交通,レジリエンスの強化につながるなど,地域循環共生圏の構築に貢献している。