廃棄物資源循環学会誌
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特集:バイオマス系廃棄物のリファイナリー
バイオリファイナリーの現状と課題
――原料調達とその問題点――
中崎 清彦
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2021 年 32 巻 4 号 p. 255-263

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抄録
バイオリファイナリーとはバイオマスを原料に汎用化学品・燃料を製造することをいう。バイオリファイナリーの研究が進んだ最初のきっかけは石油価格の高騰といわれている。その後,バイオリファイナリーのもつカーボンニュートラルの特性が注目されるようになり,さらに,2015 年に国連サミットで SDGs (持続可能な開発目標) が採択されるとバイオリファイナリーはその複数の目標に関係し,SDGs の目標達成を支えるものとしても期待されるようになった。加えて,近年では生分解性プラスチックの利用を通してマイクロプラスチックによる海洋汚染問題の解決にも貢献するものと考えられている。上述のように,バイオリファイナリーにはさまざまな利点があるが,サトウキビやトウモロコシ等の食料と競合する農作物を用いたバイオエタノール生産以外のものは残念ながら広く普及しているとはいえない現状がある。バイオリファイナリーの普及には安価な原料を大量に調達し,安価な変換プロセスを開発することが極めて重要である。本稿では,バイオリファイナリーの原料として,未利用資源,資源作物,廃棄物を取り上げ,これらの原料を用いるときの問題点についてまとめた。
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© 2021 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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