廃棄物資源循環学会誌
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特集:資源循環と脱炭素
2050年カーボンニュートラルに向けた廃棄物・資源循環分野における中長期シナリオについて
山田 浩司
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2022 年 33 巻 1 号 p. 7-16

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抄録
廃棄物・資源循環分野においても,2050 年温室効果ガス (GHG) 排出実質ゼロのための排出削減策の検討を早急に進めていくことが不可欠である。環境省では,対策強度に応じた複数のシナリオを設定し,2050 年の GHG 排出量を試算し,「廃棄物・資源循環分野における 2050 年温室効果ガス排出実質ゼロに向けたシナリオ (案)」 を策定した。本シナリオにより,2050 年に向けて,プラスチック資源循環の進展等に加え,廃棄物処理施設において CCUS を最大限導入できれば,廃棄物・資源循環分野で実質ゼロ,さらには実質マイナスを実現できる可能性があることが示唆された。同時に,これまでの計画等の延長線上の対策では,2050 年までに廃棄物・資源循環分野の脱炭素化を達成するには不十分なことが明らかとなり,関係者が一丸となり,明確な展望と覚悟の下,相当な野心をもって取り組む必要があることが明らかとなった。廃棄物処理や資源循環分野における,より具体的かつ実効的な取り組みの検討を深めていく。
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© 2022 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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