廃棄物資源循環学会誌
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特集:化学物質のどこに着目するか―難分解性・移動性の環境脅威―
有害物質の毒性の証拠はどのように集められてきたのか
── PFAS を例として ──
原田 浩二藤井 由希子
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2024 年 35 巻 4 号 p. 256-264

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抄録

有機ふっ素化合物のうち,結合するふっ素が多い,ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物,per- and polyfluoroalkyl substances(PFAS) は20世紀半ばから,生活用品の撥水剤,工業製品,燃料火災用の泡消火剤,ふっ素樹脂の製造助剤等として幅広く利用されてきた。ペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とペルフルオロオクタン酸(PFOA)の2物質が代表的な PFAS であった。これらは環境中で分解せず,生物に蓄積することから将来的なリスクが懸念された。過去に使用された PFAS が環境に残留し,水道水等の汚染を引き起こし,住民の PFAS 曝露につながっている。昨年,米国や欧州では水道水濃度や血中濃度についての勧告が相次いで公表されている。その示された水道水中 PFAS の勧告値のいくつかは現在の日本においても達成できないほど厳しい。それらの根拠となった知見について解説する。

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