近年,ペルフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物(PFAS)による環境中への拡散が懸念され,国内においても河川,地下水等から PFOS,PFOA および PFHxS が幅広く検出されている状況にある。河川・地下水等に拡散した PFAS の除去技術として,比較的低コストで取り扱いが容易な粉末活性炭による吸着処理を検討した。実際の河川水を用いた吸着試験では,PFOS のような比較的炭素数の多い PFAS が吸着除去し易いことが判明した。また,pH を酸性雰囲気に調整して吸着処理することで,短鎖を含む PFAS の吸着量が増大することを見出した。
一方,PFAS 吸着後の粉末活性炭(廃活性炭)は,適切かつ確実な分解処理が求められる。そこで,1,100 ℃以上の高温域を確保できる高温過熱水蒸気に着目し,さらに,燃料燃焼由来の CO2 排出量低減を目的として,水素燃焼式高温過熱水蒸気分解処理の試験装置を新規開発した。PFOS 等を吸着した粉末活性炭スラリーを用いて PFAS 分解の実証試験を実施したので,これらの取組内容について紹介する。
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