抄録
2050年カーボンニュートラルの実現に向け,廃棄物・資源循環分野においてもさまざまな脱炭素型資源循環技術の社会実装に向けた開発,実証が進められている。本稿では,まず,最近の廃棄物焼却施設から排出される焼却排ガスからの二酸化炭素 (CO2) 分離回収技術の実証事例として,クリーンプラザふじみおよび板橋清掃工場での取組状況を紹介する。続いて,回収した CO2 の利用技術として,小田原市清掃工場および横浜市鶴見工場でのメタネーション実証試験のほか,高速飛灰炭酸化,農業利用,固体炭素化技術の開発状況について述べる。最後に,CO2 回収・有効利用・貯留(CCUS)の構成要素技術の一つである,ごみの炭化燃料化技術について取組状況を紹介する。