2025 年 36 巻 1 号 p. 37-47
本稿では,近年の国内廃棄物焼却施設プラントメーカ各社による廃棄物焼却技術の最新動向について述べる。具体的には,まず,廃棄物焼却施設の安定操炉と自動化の事例として,ごみピット3Dシステムとごみクレーンの遠隔運用(カナデビア(株)の取り組み)について紹介する。続いて,高度な自動運転,遠隔監視を行なっている事例として,三菱重工環境・化学エンジニアリング(株)の遠隔監視・AI の活用による運転支援システム「MaiDAS®」について,また,日鉄エンジニアリング(株)の自立型プラント「Think Plant®」と,それを支える統合プラットフォーム「Think Platform®」について述べる。最後に,廃棄物焼却施設の長期運営を可能とするための取り組みとして,高度な Atmospheric Corrosion Monitor (ACM) センサを活用した低温腐食評価事例(荏原環境プラント(株)の取り組み)について報告する。